香川県が好きです。
狂おしいほどに好きです。
でも実際に行ったことはありません。
行ったことないのに、こんなに好きになるってことは、この思い本物なのでしょう。
でも意地悪な人は、行ったことないから美化してるんだよ、その思い本物じゃないよ、と言うかもしれません。
そんな人にはこう言いたい。
「もう~意地悪なんだから~」
他人にどう思われようと関係ない。
自分の思いに正直でありたい。
香川県への思いは募るばかりです。
実際に行ったことはありません。
8月に行く予定を立ててたんですが、やっぱりやめました。
なんだか恐くなってしまったんです。
遠くから思っているだけで充分なんです。
これからも行くことはないでしょう。
そのくらい好きなんです。
これはぼくからのラブレターです。
ぼくが香川県を意識したのは、47都道府県で最も面積が狭いと耳にした今年の5月です。まったく知りませんでした。
自分が劣等感を感じなくて済む、優位に立てるものしか愛せない、そんな傾向がぼくにはあります。
最も面積が狭い。
いい。
とってもいい。
日本一のペチャパイみたいな感じでいい。
そんな人を、全然問題ないよ!もっと自信持ちなよ!って叱咤激励するのが好きです。
香川県には、たくさんの魅力があります。
お遍路さん。
小豆島をはじめとする瀬戸内の小島がたくさんあります。
アートも有名です。
海の幸もふんだんにある。
ですが、香川県の本質はそれらではない。
「うどん」これに尽きる。
うどんうまい。
うどんお手軽。
うどん安い。
うどんうまい。
うどんうまい。
ぼくの住む東京都北区十条に讃岐うどん「いわい」さんというお店があります。
ここは、香川にある伝説のお店「宮武うどん」(ここはもう惜しまれながら閉店しました。ですがそれを受け継いでいる同じ名前のお店がいまもあります)で修行された方が開いているお店です。
麺がねじれているのが特徴なんですが、はじめて食べたときあまりのうまさに衝撃を受けました。
雑味なし!
うまい!
とにかくうまい!
東京でこんなにうまいのだから、本場のうどんはどれほどまでにうまいのだろうか!
ぼくも九州は鹿児島の生まれですし、仕事で色んなとこへ行かせてもらうのでよくわかるんですが、東京から離れれば離れるほど飯はうまいです。
なぜか?
「水がうまいから」
みな決まってこの台詞。
料理はすべてこれに尽きるのではないでしょうか。
水がうまいから。
あの人は落語が上手だねえ~水がうまいから。
何にでも適用できなくもない気がします。
香川のことには常にアンテナを張っています。
香川の出身の方とか、旅行で行ったことのある方がいればしつこく情報を引き出します。
ぼくは行くことはないですが、完璧なうどん旅行の計画を立てたのでお役立てください。
行く1週間前から毎日うどんを食べます。
敢えて食べないなんてことはしないでください。
東京でも、駅のうどんでも、富士そばでも、冷凍の加ト吉うどんでも、うどんはおいしいですから。
香川はよりおいしいというだけです。
東京から寝台列車に乗って行きましょう。
午前中に香川に到着します。
昨年香川から東京にやってきたというタクシー運転手さんに聞いた情報によりますと、「さか枝」で必ず食べてくれ!とのこと。
「さか枝」は朝5時30分からやってます。
タクシー運転手さんは生きた情報を持ってますから。
(これは柳亭小痴楽あにさんに教えてもらったんですが、中島みゆきのタクシードライバーという曲がとっても素敵です。タクシードライバーではないぼくが涙したほどですから、運転手さんなら膝から崩れ落ちることでしょう。)
うどんは食べ歩いたほうがいいから、小サイズを食べなさいとのこと。
小うどんのちくわのせは270円
安い!
安すぎる!
うまい!
うますぎる!
きっとうまいに決まってる!
こんなうまいものを安く提供してくれるなんてなんて香川はいいとこなんだ!
どう考えても薄利!
多売したとこで、薄利!
豊かな暮らしをしてために余分なお金はいらない!
自然とうどんさえあれば幸せに生きていくことができる!
こう信じていないとこの価格設定はあり得ない。
そう信じられるほどに、うどんがうますぎる証。
次は「竹清」。これはことりっぷに載ってました。
小うどんに卵の天ぷらのせで、270円。
またしても270円。
さきほどの「宮武うどん」。
宮武うどんは十条のいわいに似てるとしたら、みなさんが思ってるうどんとは少し印象が違います。
麺のねじれと出汁の塩っ気はほかとは違います。
これは体験しなきゃわからない。
うまい。
だし醤油か生醤油をかける「しょうゆ」か出汁は熱く麺は冷たい「ひやあつ」を注文するのがおすすめ。
まだまだたくさんありますが、ここでレンタカーを借りて、高松エリアを抜けましょう。
(うどんタクシーといって定額のお金で何軒かおすすめのとこ廻ってくれるタクシーもありますが、そろそろ一人になりたくなるはずなので。)
次は琴平、丸亀、坂出エリアです。
まだまだたくさんあるある!
「がもううどん」店の雰囲気も工場で食べてる感じでいい。小うどんにでかあげさんのせて、250円。
「たむらうどん」太麺の田舎印。小うどんにちくわのせて、260円。
「谷川米穀店」小うどんに卵のせて、200円。青唐辛子の佃煮いれるとさらにおいしい。
「日の出製麺所」営業時間1時間という幻のうどん。1時間!?なんてこった!
冷水でサッと締めた麺をシンプルに食べる、小満ん師匠みたいなうどん、150円。
まだまだまだまだたくさんあるはず。
最も面積がせまい、香川県。
ほぼ、うどん1本でやってる香川県。
これに懸けてるんだという意気込みは本寸法の芸のよう。
こうありたいものです。
まだまだ紹介したいとこですが、これくらいにしておきましょう。
なぜって?
大好きな香川県を知ってほしいけど知られたくない、そんな複雑な感情が込み上げてきた。
わけではなく、
夕飯のお蕎麦がちょうど茹であがったから。
暑いから冷たいお蕎麦をつるつると。
ではサヨウナラ。